帰宅すると冊子が一部テーブルに置いてあって、手に取ると『二十一世紀に生きる君たちへ』というタイトルの短い文章でした。
著者は司馬遼太郎。歴史小説のイメージが強いが、調べてみると小学生向けの教科書に書き下ろしたものらしいです。息子の通うサッカークラブの代表が卒業を控えた部員にこの短い文章についての特別授業を行ったようでした。
教科書に掲載される程度のボリュームなので、ものの数十分で読めそうだったので、ワタシも内容に目を通しました。
人は互いに助け合いながら生きている
人は社会で孤立して生きていけるようにつくられていない。だから、互いに助け合いながら生きているのである。助け合うという行動の基礎になるのが、相手に優しくできる心です。
自分に厳しく、相手に優しく
まずは自己を確立しましょう。やさしさ、いたわり、他人の痛みを感じること。相手に優しくできる心を訓練して身につけましょう。そして頼もしい人になりましょう。
これはいつの時代になっても生きていく上で必要な心構えですよ。
この年になって教えられた。
小学生向けですから、当然大人にはスッと読解できる文章だが奥は深いと思う。小学生だけでなく大人も一読する価値はあると思う。
ワタシがなるほどと思ったところは。やさしさ、いたわり、他人の痛みを感じること、そんな相手に優しくできる心という物は人間の本能ではないから訓練が必要なんだ。という意味合いの節。
なるほど確かに心というものは育て方によって良くも悪くもなってしまう。毎日の瞬間瞬間を捉えて考えてみても、あの時は優しくできたけど、この時はできなかったということが自分にも思い当たる。
優しい人、いい人になりたいと思ってるだけではダメなんだ。それには自分に厳しく訓練を強いる必要があるんだ。優しい人になるにも努力が必要なんだ。
この歳になって、小学校の教科書の文章に教えられたと思いました。
息子も今は理解が薄くとも、いつかそのように読解できる人になってほしいなと思いました。