中瓶
先日、ある飲食店で働いている人から、少し面白い話を聞いた。
その店には、いつも決まったメニューと
ビールの中瓶を必ず注文する常連客がいるらしい。
来店するたびに注文は同じ。
メニューを見ることもなく、自然な流れで中瓶を頼む。
それだけ聞くと、よくいる常連客の一人だ。
むしろ、覚えやすくてありがたい存在かもしれない。
ただ、その人は少しだけ厄介なのだという。
大きなトラブルを起こすわけではない。
怒鳴るわけでも、暴れるわけでもない。
けれど、従業員に絡むような言動があり、
仕事の支障をきたす存在になっているらしい。
その結果、
店の従業員の間では、
その客を「中瓶」と隠喩しているそうだ。
決まった注文と、決まった行動。
それが、あだ名として定着してしまった。
話を聞いていて、思わず笑ってしまったが、
同時に、少しだけ背筋が伸びた。
客という立場は、
どうしても店より強い側に立ちやすい。
お金を払っている、という意識があるからだ。
けれど、その立場を使って
無意識に人に負担をかけていると、
ちゃんと見られているのだと思う。
本人は気づいていなくても、
店の中では、
「中瓶」という名前で記憶されている。
誰かに迷惑をかけた記録は、
案外、こういう形で残るのかもしれない。
そう考えると、
常連であることよりも、
感じのいい客でいることのほうが、
ずっと大事なのだと思った。

今週のお題「名前をつける」
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